北野的読書日記

岩波文庫を中心に、読んだ本の感想を書いていきます。よろしくお願いします。

「若きウェルテルの悩み」ゲーテ

ゲーテの「若きウェルテルの悩み」です。
小学生のときに読んだ、手塚治虫先生の「火の鳥」の中でこの本が引用されていました。「どんな話なんだろう・・・」それから20年、ついに読みました!!思っていたとおりのストーリーと思っていたとおりの結末でした!!
主人公のウェルテルは美しい女性ロッテに恋をします。それだけであれば「悩む」必要はないのですが、そのロッテはいいなずけと結婚してしまいます。そこからウェルテルの苦悩はどんどん深まり、彼女への恋心は醜くただれ、いつしか彼を狂気へと駆り立てていきます。
物語はウェルテルの視点で語られていきます。恋の喜びが嫉妬の苦しみや他者への恨みに変わって、主人公が狂気の淵へ落ちていく過程は、恋愛小説というよりもホラー小説です。
彼のことを愚かだと思う自分がいる一方、彼の痛みを自分の痛みとして感じている自分がいます。

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)