北野的読書日記

岩波文庫を中心に、読んだ本の感想を書いていきます。よろしくお願いします。

「論語」孔子

今回はご存知、孔子の「論語」です。

論語」が書かれたのは今から約2500年前。孔子の言葉を弟子たちがまとめたものです。512の短文でまとめられた「論語」は孔子の名言集のようなイメージでしょうか。
岩波文庫のものは定価900円でだいたい400ページくらい。結構分厚いです。読むのに時間かかりそうだなあと思っていたのですが、1週間くらいで読めました。と
いうのも、400ページあるのですが、原文、書き下し文、現代語訳と、同じ内容のものが3回書かれているので、見た目ほどのボリュームはないのです。さらに私はまず現代語訳を読んで、気に入ったら書き下し文を読むようにしていたため、結構スムーズに、快適に読めたのです。

読み終わっての感想ですが、さすが2500年残るものは違う!と思いました。先ほど「孔子の名言集」という説明をしましたが、よくある「名言集」とは全然違います
512の短文は、一つ一つは独立していてばらばらなのですが、読み進むにつれて孔子の考え方、思考体系が伝わってくるのです。読み進むうちに「孔子」の人物像が立ち上がってくるように感じました。
孔子が繰り返し説いているのは「仁」の重要性です。「思いやり」、「愛情」と訳されるのでしょうか。論語というと、何か難しいもののように感じますが、そこに書かれているのはとても「優しい」ものだと感じました。
私は、気に入ったものは繰り返し読んで、暗記しました。「論語」を暗記しているとか、なかなかいいじゃんと悦に入っています。
気に入ったものの現代語訳を挙げてみます。

・父母にはただ自分の病気のことだけを心配させるようになさい(病気はやむを得ないばあいもあるが、そのほかのことでは心配をかけないように)

・心に反省してやましくなければ、一体、何を心配し何を恐れるのか

・過ちをしても改めない、これを過ちと言うのだ

・(土地の人がみなほめるというのは)十分じゃない。土地の人の善人がほめて悪人は憎むというのには及ばない

現代語訳だけではなく、是非、書き下し文も読んでみてください。漢文特有のリズム感で、スッと入ってきます。

私事ですが、先日祖父の米寿のお祝いをしました。
孔子と並べるのは変かもしれませんが、人生の先人から学ばなければならないことは尽きないと思います。
2500年間、生き続ける孔子の言葉
孔子よりも長生きしてくれてる祖父の生身の言葉
どちらも僕にとってかけがえのないものです。

論語 (岩波文庫 青202-1)

論語 (岩波文庫 青202-1)