北野的読書日記

岩波文庫を中心に、読んだ本の感想を書いていきます。よろしくお願いします。

「森の生活」ソロー

ソローはアメリカの思想家です。その彼の代表作が、この「森の生活」です。

この本を手に取ったきっかけは、僕が大好きな「3週間続ければ一生がかわる」の著者、シャーマンが強く勧めていたからです。
僕が影響を受けた人に、影響を与えた人はどんな人??という感じです。

そして読了しました。
上巻を…

全然進まないのです。
ペースが全然上がらないのです。

表現が詩的すぎて、ちょっと僕には難しいのです…

下巻も読んでから、ブログに書きたかったのですが、いつになるかわからないので、とりあえず上巻だけの感想です。

著書は、人里離れた森の中に家を建て、そこで自給自足の生活をします。
その静かな生活の中で、自身が感じたことについての随筆集です。上巻では経済や読書、孤独といったテーマについて書かれています。

著書の勧めるあるがままのシンプルな森での生活は、無駄なものが削ぎ落とされており、それゆえに人生の本質、物事の本質を映してくれるのかもしれません。
本の中で、森に暮らしているから得られるものが描かれています。自給自足でありながら満たされた生活、自然の造形美、人里離れているがゆえの濃密な人間関係…それらは今の僕の周りにはないもので、とても美しく感じました。
ただ読んでいて、僕自身に置き換えた場合、33歳の僕はまだ、森にこもるには早いと感じました。価値のある人、ない人、その人たちに関する様々な出来事、それらが生い茂る森で、僕はまだまだ学ばなければならないと思うのです。

読んでいて個人的に興味深かったのは、著者が孔子論語から、いくつか引用をしていたことです。先月に読んで感銘を受けた孔子が、著者のソローに影響を与え、そのソローがまた別のひと、例えば先のシャーマンに影響を与え、さらにそこから僕が影響を受ける…こうなるとその人の思考はもはやその人だけに由来するものではなく、何か共有の財産のようにも思えてきます。

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)

森の生活〈上〉ウォールデン (岩波文庫)